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★石油輸出国機構(OPEC)加盟国
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★石油輸出国機構(OPEC)は、Organization of Petroleum Exporting Countriesの略。中東を中心とした産油国が集まり、1960年に設立。本部はオーストリアのウィーン。産油国側の利益を守る目的で、生産量や価格の調整をするための役割を果たしている。近年は、ロシアやメキシコの油田、北海油田といった非OPEC諸国の油田の生産量が増えて、OPECの影響力は相対的に低下しているが、2000年度のOPEC加盟国の原油生産量は世界の40%近くを占めており、依然大きなウェイトを占めている。 ★加盟国は、イラク、イラン、サウジアラビア、クウェート、ベネズエラ アルジェリア(1969年加入)、カタール(1961年加入)インドネシア(1962年加入)、リビア(1962年加入)、アラブ首長国連邦(UAE)(1967年加入)、ナイジェリア(1971年加入)の11カ国。 |
3月8日、ウィーンで開催された第140回OPEC定例総会結果概要は以下の通り。
(*)文中の生産枠は、全て「イラクを除くOPEC10ヶ国」の数字
(1)世界経済のパフォーマンスは引き続き強い。また、基本的に市場に原油は十分供給されており、OECD加盟国の商業石油在庫水準は高いことをすべての指標は示しているが、原油価格は不安定。これは地政学的要因と将来の原油供給途絶への複合的な懸念、米国の燃料品質基準の強化により悪化した下流部門のボトルネックによって引き起こされていることに注目。
(2)現在の需要供給見通しにもかかわらず、支配的である地政学的な懸念の観点から、現在のOPEC生産上限日量2,800万バレルを当面維持。合理的な価格に保つことに貢献する。OPECが世界市場の安定と常に適切な原油供給を行うことを保障するとのコミットメントを再び確認。
(3)予期される在庫増加を含め潜在的なリスクと不確実さに対し、引き続き市場の動向を監視し、必要が生じた際には適切かつ迅速な行動を取る。
(4)次回臨時総会を2006年6月1日(木曜日)にベネズエラで開催。
3月8日(水曜日)の原油価格は、OPECが生産枠据置きで合意したのを受け、更に米国の原油在庫が増加したのを受けて1ドル強急落し、前日比1.56ドル/バレル安の60.02ドルで取引を終了。
(1)生産枠の据置き
生産枠の据置きが決定されたことについて、我が国として歓迎できる。OPECは、原油は市場に十分に供給され、在庫も高水準にあるとしながらも、地政学的要因やそれによる供給途絶、下流部門のボトルネックにより原油価格が高騰していることに配慮したものと思われる。他方、生産枠削減についても議論は行われた由であり、今後の市場動向次第では、生産枠削減を決定する可能性もある模様。
(2)地政学的な要因による原油価格不安定
プレスリリース及びダウコルOPEC総会議長による記者会見の発言からは、具体的に如何なる議論が行われたか不明であるが、総会前の我が方照会に対して、イラン、ナイジェリア等の政治面での不安定要因が最近の原油高に影響を与えているとの見方が、サウジアラビア、イラン政府関係者より示された。
(3)OPECによる合理的な価格維持
例年需要が減少し、価格が下落する傾向のある第2・四半期に、OPECが供給責任のみならず、原油価格についての責任を改めて認識したものとして評価できる。
| 国名 | 国別生産枠 | 生産量(1月)*1 | 余剰生産能力(1月)*2 |
|---|---|---|---|
| アルジェリア | 89 | 136 | 1 |
| インドネシア | 145 | 92 | 7 |
| イラン | 411 | 392 | 8 |
| クウェート | 225 | 252 | 8 |
| リビア | 150 | 165 | 0 |
| ナイジェリア | 231 | 242 | 19 |
| カタール | 73 | 83 | 0 |
| サウジアラビア | 910 | 950 | 100 |
| ア首連 | 244 | 248 | 18 |
| ベネズエラ | 322 | 213 | 7 |
| イラク | - | 150 | 100 |
| 合計 | 2,800 | (除イラク)2,771 (含イラク)2,921 |
(除イラク)167 (含イラク)267 |
1月31日、ウィーンで開催された第139回OPEC臨時総会結果概要は以下の通り。
(*)文中の生産枠は、全て「イラクを除くOPEC10ヶ国」の数字
(1)総会は、2006年全体の需給予測、特に第1・第2四半期について原油市場見通しをレビューした結果、昨年12月のクウェート総会以来、市場のファンダメンタルズはバランスを保ち続け、適切な在庫レベルにあること、世界経済動向は弾力性を保っていることを観察した。
(2)また総会は、市場に十分な原油供給がなされ、OECD諸国における商業原油在庫水準は健全に保たれているにもかかわらず、原油価格が上昇し続けていることに注目した。これは、主として精製部門におけるボトルネックと他の外的要因による。更に総会は、近年における需給予測は、とりわけ第2・四半期につきOPEC原油の必要性を過小に評価する傾向にあることを観察した。
(3)OPECは、経済成長を促す供給水準を維持する役割を担い続けることにつきコミットしていることを想起し、総会は、原油価格の大きな変動とその世界経済、とりわけ発展途上国に与える影響への懸念を表明した。
(4)その結果、総会は、昨年6月の第136回総会において合意したように、OPEC10カ国の生産水準を日産2,800万バレルに維持することを決定した。同時に事務局に対し、潜在的なリスクや認識されていない不確定要素を考慮しつつ、市場を継続して注視するよう求めた。
(5)総会は、次回の定例総会を2006年3月8日にウィーンで開催することを再確認した。
(1)(イランの核開発問題について国連安保理への付託が話題となっているが、本件が市場にあたえる悪影響についてどう考えるか。)
現時点では、安保理に付託されることが決まったわけではなく、今後も解決に向け知恵が出されていくことになろう。イラン代表に聞いても、イランとして石油供給を止めることは全く考えていないということであり、石油供給が止まらないのであれば、現時点で明らかな問題はない。市場は過剰に反応しているのではないか。
(2)(仮にイランからの供給が止まった場合には、そのギャップをOPEC加盟国は埋められるのか。)
仮定的な質問には答えかねる。われわれは、現実の出来事を追随するだけである。ただし、OPECは、国際社会の一員としてできる限りの努力をすることになるだろう。
(3)(2006年の需要は、OPECが試算するよりも大きい可能性があるが、もっと多くの供給余力を確保して生産を拡大し、原油価格を下げるつもりはあるのか、)
原油は市場に十分供給されているし、昨年は必要に応じ2百万バレル/日の追加供給のオファーもした。現在でも2百万バレル/日の余剰生産力を有しているが、これは現在も拡大している。ナイジェリアも油田開発に努力をしているし、サウジも生産能力拡大をしている。
(4)(現在8,500万バレル/日とされる世界の需要は、2020年には1億7百万バレル/日を超えると予測されている。OPECとしてその差2千2百万バレル/日を埋めるのか。開会スピーチで発言されたpressure points(弱点、政治圧力の対象)についき説明願いたい。)
pressure pointsという言葉は、物理的な意味ではなく、地政学的な影響や市場の要因を指す。例えば、天然ガスのパイプラインで生じたような突然の供給途絶や、消費国でのガソリン補助金のように不合理な市場によって生じるものを意味している。
現在OPECの市場シェアは40%程度であるが、将来がどうなるかはよくわからないものの、適切な人的資源、資本、技術が動員できれば確認埋蔵量も増加し、OPECのシェアが50%にまで上昇するようなことも考えられる。
(5)(2年前には、世界経済は1バレル40ドルでもやっていけると言い、昨年は50ドル、現在は60ドルでも成長を持続できるという。これにリミットはあるのか。)
世界は変化するものであり、世界経済が成長すれば原油需要も伸びる。原油価格のリミットは経済成長にリミットを設けるようなものである。OPECとしては、需要に対応した供給ができるかが問題である。
(6)(市場はOPECの供給余力に関心を持っているが、供給余力は実際どれだけあるのか。また、どれぐらいの期間で追加供給ができるようになるのか。)
かつて1970年代には、400万バレル/日以上の供給余力があったが、その後投資が停滞した。現在は、200万バレル/日以上あるが、2007年末までには、OPEC全体で400万バレル/日に増強できる予定である。このため、ナイジェリア、サウジをはじめ様々なプロジェクトが進められている。投資家は、可能性を見出し始めているものの、この部門の投資は不安定で、現時点では低調であり、少なくとも投資が拡大するような努力を続けていく必要がある。
(7)(現実の生産量の上限はどれぐらいなのか。)
現在の市場のボトルネックは、主に下流部門の精製能力にある。OPECとしては、必要な精製能力があり、必要とされる場所があるのであれば、200万バレル/日の供給はいつでも行うことができる。
(8)(長く検討されている各国別の生産枠の見直しは議題になったのか。)
議題になっていない。
(9)(需要の大きい軽質油の生産について能力増強すべきではないか。)
現在、いろいろな国で開発が行われており、また、タールサンドやオイルシェールからの抽出技術も開発されつつあるし、加盟国においても精製能力の強化をしている。
(10)(液化天然ガス(LNG)の供給について、OPEC加盟国もアクセス改善に努めているようだが、見解如何。)
関心を持っている人は多くないが、天然ガス価格については管理されておらず、市場によって決められている状況にある。天然ガス価格の上昇も、途上国経済に悪影響を与えかねない。ナイジェリアは、西アフリカ・ガスパイプラインや、数年前からLNG用の貨物列車を利用し始めているが、この他にもGTL(ガス・ツー・リキッド)や石油ガス複合発電等の長期的プロジェクト構想等、地域としての取組みを行っている。これを世界的な課題として、必要な資金を調達していかなければならない。
1月31日(火曜日)の原油価格は、OPECの生産枠据置きを受けて反落し、前日比0.43ドル/バレル安の67.92ドルで取引を終了。
| 国名 | 国別生産枠 | 生産量(12月)*1 | 余剰生産能力(12月)*2 |
|---|---|---|---|
| アルジェリア | 89 | 137 | 0 |
| インドネシア | 145 | 94 | 5 |
| イラン | 411 | 385 | 15 |
| クウェート | 225 | 251 | 9 |
| リビア | 150 | 165 | 0 |
| ナイジェリア | 231 | 246 | 14 |
| カタール | 73 | 83 | 0 |
| サウジアラビア | 910 | 950 | 100 |
| ア首連 | 244 | 256 | 10 |
| ベネズエラ | 322 | 205 | 15 |
| イラク | - | 155 | 95 |
| 合計 | 2,800 | (除イラク)2,771 (含イラク)2,926 |
(除イラク)167 (含イラク)262 |
12月12日、クウェートで開催された第138回OPEC臨時総会結果概要は以下の通り。
(*)文中の生産枠は、全て「イラクを除くOPEC10ヶ国」の数字
(1)石油市場の状況を見ると、市場には十分な供給がなされており、石油在庫とりわけ原油在庫は、絶対水準及び在庫日数双方の観点から、積み増しがなされてきている。これは、必要に応じて市場に十分な供給を行うというOPECの迅速な対応と意欲によるものである。
(2)総会は、2006年の見通しについても検討した結果、以下の点に注目した。2005年6月の第136回臨時総会において採択された日量2800万バレルの生産上限(イラクを除く)は、それが完全に遵守されるならば、2006年第1四半期の需給を均衡させるのに十分な水準となる。しかしながら、例年第2及び第3四半期は季節的に需要が低下しOPECからの供給削減が必要となることを考慮し、総会は、市場の状況をレビューした上で2006年第2及び第3四半期の生産レベルに関する適切な決定を行うため、2006年1月31日にウィーンにおいて臨時総会を開催することを決定した。総会はまた、2006年3月8日にウィーンにおいて次回通常総会を開催することを再確認した。
(3)上述の決定にあたり、総会は、十分な供給量の確保を通じて市場の安定と妥当な価格の維持を図るため、必要と認められるあらゆる手段を講じるという決意を再確認した。この決意は過去繰り返し表明されてきたものであり、その一環として、最近では3ヶ月間日量200万バレルの余剰生産能力を市場に提供しているところである。この余剰生産能力の提供については、2005年12月31日をもって期限が切れるが、総会は、市場に十分な供給がなされているために引き取られることがなかったことに留意した。
(4)総会は、消費国及びその産業界に対し、十分な供給がなされている石油市場において価格を吊り上げる主要な要因となっている精製施設に係るボトルネックを緩和するため、共同の努力を行うことを改めて求めた。この点に関して、総会は、第2回EU/OPEC閣僚級エネルギー対話において石油精製と先物市場に関する共同研究の着手が提案されたことを歓迎した。
(5)総会はまた、将来の生産能力に関して市場を安心させる観点から、今後、加盟国の生産能力拡大計画、下流部門への投資プロジェクトその他関連する情報を公表していくことに合意した。
(6)事務局長の指名問題については、次回通常総会まで持ち越されることとなったため、次期総会議長であるダウコル・ナイジェリア・石油資源大臣が、2006年1月1日から事務局長の職務を代行する。
(1)(今後の判断の目安となる価格についは、どのように考えているのか。)
これまで産油国は、生産能力に近いところまで生産量を引き上げ、必要に応じて余剰生産能力を市場に提供する旨のアナウンスを行うとともに、生産能力増強のための上流投資を行うなど、市場を安定させるために必要な努力を行ってきた。原油価格に影響を与えるのは原油需給のみではない。このため、下流投資も行うなど産油国としての義務を果たしてきた。価格について申し上げることはできないが、今後も市場の安定のため、消費国の経済成長への影響、産油国による投資拡大を考慮した価格を目指し、産油国として必要な努力を継続する。
(2)(次回の臨時総会で生産量が削減されることとなるのか)
必ずしもそういうわけではない。次回臨時総会は、市場を注視し必要なアクションを議論するために開催する。今年は通常とは異なり、第2四半期に供給を増やすなど、ここ数年は歴史的な経験をしてきている。また、中国やインドなどの新たな消費国が市場に現れてきており、より注意深い分析が求められている。しかし、十分な在庫がある中、市場が供給過剰になることを我々は懸念しており、必要があれば供給を削減する。
(3)(プライスバンドに関する議論はスタートしたのか)
今がプライスバンドについて何かを行うことが適切な時期であるか否かを検討している。2004年の需要増は260万BD、2005年は120万BD、2006年は150万BDと予測されており、需要増のペースが安定していない。また、価格も安定していない。来年第一四半期にこれらを注視した上で、プライスバンドに関する議論は、3月の総会で行うことになるであろう。
(4)(精製能力増強に向けた取り組みは、生産の現状況・見通しを反映したものとなるのか)
精製能力の問題と原油生産の問題は別物である。精製能力の問題は基本的に産油国の問題ではなく消費国の問題ではあるが、我々はその責任を共有し、内外での新たな精製能力向上を開始している。もちろん、精製能力と原油生産との間には調和が必要である。
(5)(200万BDの余剰生産能力の活用期限が切れることの市場へのインパクトはどう見るか)
余剰生産能力の市場への提供は12月末で期限が切れるが、市場の状況を見た上で必要があれば何らかの手段を講じていかねばならない。
(6)(EUと同様、中国とも対話を開始するのか)
12月27日に北京で会合を開催し、中国との対話をスタートさせることになる。
(7)(どのようにして消費国に石油への課税削減を働きかけていくのか。この点に関する総会のメッセージは何か)
本件はEUとの対話で取り上げられたほか、IEFの常設事務局事務所落成式典の際にも、サウジ国王がレビューの必要性に言及した。こうした対話が事実関係の理解を深めるために役立つものと考える。
(8)(事務局長ポストの問題が決着を見なかった理由は何か)
加盟国間の立場を埋め、本件の合意に至るためには、引き続き議論が必要である。
(9)(2800万BDの生産上限を維持するという決定は、超過生産分が削減されることを意味するのか)
現在のOPECの生産量は2820万BDであるが、我々は生産上限を2800万BDに据え置くことを決定した。全ての加盟国が生産上限を遵守することを求められるわけであるが、おそらく2820万BD程度の生産は続くであろうし、それが昨今のプラクティスである。
(10)(2010年までにOPECの生産能力を3800万BDにすることは現実的なのか)
各国から集められた情報を集計した結果、2010年に3800万BDを達成することは可能と見ている。これは産油国である我々の義務であり、3800万BDの達成に向け意欲的に努力を行う。我々は、イラクを含むOPEC11に対する要求が満たされるまで投資を続けていくことになる。
12月12日(月曜日)の原油価格は、OPECによる実質的な減産決定を受けて急反発し、前週末比1.91ドル/バレル高の61.30ドルで取引を終了。
| 国名 | 国別生産枠 | 生産量(10月)*1 | 余剰生産能力(10月)*2 |
|---|---|---|---|
| アルジェリア | 89 | 137 | 0 |
| インドネシア | 145 | 95 | 3 |
| イラン | 411 | 387 | 13 |
| クウェート | 225 | 223 | 9 |
| リビア | 150 | 165 | 0 |
| ナイジェリア | 231 | 246 | 11 |
| カタール | 73 | 83 | 0 |
| サウジアラビア | 910 | 922 | 100 |
| ア首連 | 244 | 260 | 0 |
| ベネズエラ | 322 | 212 | 9 |
| イラク | - | 179 | 71 |
| 合計 | 2,800 | (除イラク)2,785 (含イラク)2,964 |
(除イラク)144 (含イラク)215 |
第137回OPEC定例総会結果
9月19〜20日、ウィーン(オーストリア)で開催された第137回OPEC定例総会結果概要は以下の通り。
(1)現在のOPEC生産量は日量3,020万バレル(イラク除き日量2,830万バレル)で、原油在庫は過去5年平均を上回り、市場の供給途絶不安を和らげるのに十分な水準である。また総会は、加盟国が将来の需要拡大に見合うように、日量3,250万バレルから2010年までに少なくとも3,800万バレルにするための投資計画を実行していることについて言及した。
(2)近年の原油供給の伸びは、需要拡大より先行し、在庫(特に原油)は十分であるにもかかわらず、油価は上昇し続けている。これは、主に下流部門の能力逼迫や将来の供給懸念によるもので、総会は、OPECが生産者と消費者双方にとって合理的な価格での適切な供給を保証することで、市場安定に向けた積極的政策を継続することを繰り返した。
(3)この目的のため、石油市場安定維持の重要性を認識し、特に途上国を含む世界経済の利益のため、総会は、2005年10月1日より3か月、加盟国の約日量200万バレルの供給余力を、要請に応じ市場に提供することを合意した。更に本年12月12日にクウェートで開催される第138回臨時総会において、市場動向を確認することを決定した。
(4)総会は、石油産業において非OPEC生産国が重要な役割を果たしていることを認識し、彼らに対して価格維持と市場安定のためにOPECと積極的に協力し続けていくことを繰り返し呼びかけた。同様に、総会は、全ての関係者に対し、力強い経済成長と調和する合理的価格での市場の安定と、国際的な石油需要に対応するため、生産国と石油産業が上流・下流部門の能力拡大の可能にする安定的な収入を維持するための努力に参加することを繰り返し求めた。
(5)さらに総会は、供給途絶に際しては、要請に応じてOPECに追加供給の準備があることの確約と、ハリケーン「カトリーナ」による精製施設の一時閉鎖に対応するため、国際エネルギー機関(IEA)加盟国によってとられた石油在庫の緊急放出措置の双方が、救済策として提供される中、精製能力不足が、現在の油価上昇と価格変動の主要な理由であり続けることに注目した。消費国政府で今後の先物市場安定への脅威となる深刻な精製能力不足についての認識が増していることは賞賛されるが、総会は、石油産業及び消費国が精製能力不足の問題に緊急に取組むとともに、精製能力拡大を加速する適切な行動をとることを繰り返し求めた。加盟国は、下流部門プロジェクトの進捗、及び投資を主導しているが、これは主要消費国の主な責務でもあり、その適時適切な施策なしには、市場は安定しない。
(6)総会は油価沈静化に向けた消費国の最近の行動を歓迎する。これに関連して、総会は、OPECとIEAの協議が継続していることを歓迎し、国際エネルギーフォーラム(IEF)が国際的な対話の場として有効性を増し、同時に、OPECを含む6つの国際機関によって支持されているJODI(共同石油データイニシアティブ)の調整役として主導的な役割を果たしていることに言及した。これに関連し、総会は、進行中のOPEC・EU対話に満足し、他地域・国際機関との類似の対話の準備が進められていることを記録した。OPECは、産油国と消費国の間の協力関係を拡大し強化することを確約し続ける。
(7)総会は、ダウコル・ナイジェリア石油資源大臣を2006年1月1日から1年間の総会議長として、ハミリ・アラブ首長国連邦エネルギー大臣を議長代理として選出した。
(8)総会は、副大臣による長期戦略の報告内容を検討し、それを長期戦略案(注)として採用することを決定した。
(注)2003年より作成作業が開始され、今次総会で採択されたもので、OPEC加盟国の利益の実現を目的に、石油価格、投資、産油国と消費国の関係、OPEC事務局の強化等に関する戦略が含まれている。
(1)(現在の市場の状況、今回200万バレルの生産余力を市場に提供する狙い如何。)
地政学的要因、自然災害、精製能力不足といったエネルギー供給に関する現状に鑑み、OPECが市場の安定のために何ができるかを検討した。原油価格は引き続き高く、特に途上国への影響が心配される。原油供給については、安定した心地よい市場とするための肯定的な反応を得るために、われわれが持つ日量200万バレルの生産余力を提供することを決議した。
(2)(200万バレルはどのように供給するのか。ジェスチャーではないのか。)
OPECには200万バレルの生産余力があり、それを市場に提供することを確約した。加盟国は本決議に賛成し、これ以上協議をしたり、誰かが決定を行ったりするわけではない。今回の決定で、OPECは日量150万バレルの余剰に加えて、200万バレルの供給を宣言した。IEAは、6,000万バレルの備蓄放出を決定したが、OPECは200万バレルを3か月供給する。価格にも当然効果があると考える。
(3)(IEAは、OPECが生産余力を持つか疑問を持っているが。)
それは40年間生産操業している加盟国自身がよくわかっている。買い手さえいれば、200万バレルは供給できる。生産余力がどれだけあるかに議論の余地はない。
(4)(サウジアラビアのナイミ大臣は、現在の生産枠は意味を持たないとしているが、今回の決定に合意しているのか。)
当然合意している。現在、超過生産をしている加盟国もあるが、生産枠の仕組みは依然ある。
(5)(精製能力増強を消費国に訴えているが、産油国自身はどうするのか。)
産油国にとって重要なことは、生産について責任を果たすことである。油価上昇は、産油国にとって歳入を増すとともに投資の機会であり、殆どの加盟国で精製能力についてのプロジェクトを持ち、その責任を果たしている。また、国際石油会社(IOC)に対してもその解決を求めている。原油供給についていえば、現在日量150万バレルの余剰がある。価格についても、消費国は課税しており、産油国も同じぐらい欲しいぐらいだ。また、過去3年間の油価は、20ドルから28ドルの範囲に収まっており、そのために投資が行われなかったことを忘れてはいけない。現在の強い需要を見越して、急速に多くの投資が行われている。
(6)(この5〜6年で精製能力は日量200万バレル程度増加すると見るがどうか。)
それは全く正しい。サウジアラビア、クウェートなど加盟国をはじめ、インド、中国で予定される分も合計すると、5〜6年で日量約200万バレルの増強になる。
(7)(カトリーナの影響についてはどうみているか。)
カトリーナが米国の石油関連施設に大きな損害を与えたことは疑いない。また、その損害が経済についても影響を与え、米国、中国はじめとする来年第1四半期の需要への影響を注意深く見守っている。また、IEAが迅速に備蓄放出を行ったことも評価している。
(8)(今後の原油価格についてどうみているか。)
個人的な見解を述べれば、油価高騰により生産投資が進んでいることから、2008年までには、40ドルを超えたどこかになるのではないか。
(9)(プライスバンドについてはどうか。)
研究は現在も引き続き進めているが、今は決定のための適切な時期ではなく、原油の供給と需要がバランスする時を待っている。
9月20日(火曜日)の原油価格は、前日の4ドル以上の急騰を受けた利益確定の売りの影響で、前日比1.16ドル安の66.23ドルで取引を終えた。
| 国名 | 国別新生産枠 | 生産量(8月)*1 | 余剰生産能力(8月)*2 |
|---|---|---|---|
| アルジェリア | 894 | 1,350 | 0 |
| インドネシア | 1,451 | 940 | 40 |
| イラン | 4,110 | 3,980 | 130 |
| クウェート | 2,247 | 2,410 | 90 |
| リビア | 1,500 | 1,650 | 0 |
| ナイジェリア | 2,306 | 2,460 | 50 |
| カタール | 726 | 800 | 30 |
| サウジアラビア | 9,099 | 9,560 | 940 |
| ア首連 | 2,444 | 2,510 | 50 |
| ベネズエラ | 3,223 | 2,120 | 80 |
| イラク | - | 1,910 | 60 |
| 合計 | 28,000 | (除イラク)27,770 (含イラク)29,670 |
(除イラク)1,390 (含イラク)1,990 |
※1:IEA月例オイルレポート(9月9日発行)より。
※2:余剰生産能力(8月)は、8月生産実績とIEA推計による各国生産能力を比較したもの(IEA推計による生産能力は30日以内に到達可能で90日間継続可能な生産レベルを指す)。
第136回OPEC臨時総会の結果
6月15日、ウィーン(オーストリア)で開催された第136回OPEC臨時総会結果概要は以下の通り。
(1)石油市場の状況と当面の見通しを検討した結果、生産上限を日量2,750万バレルまで増加させた本年3月の総会決定により、市場には十分な供給がなされ、その結果、商業在庫は、平均的で十分な水準にまで積み上げられている。しかし、国際的に有効な石油精製能力に対する不足懸念、特に主要消費地域における中間留分の不足の可能性から、原油価格は引き続き高く不安定であることに注目した。既に高い稼働率で操業している製油所は、中間留分需要の強い伸びに対応していく上で困難に直面している。この状況は、地政学的動向と石油先物市場での増大する投機により更に悪化している。
(2)本年後半、特に第4四半期の力強い需要増加予測と価格の再上昇を考慮し、総会は、現行のOPEC生産上限を7月1日より日量50万バレル増加させ、日量2,800万バレルとすることを決定した。また、原油価格が次回総会までの間に、現行水準にとどまるか上昇する場合には、各国代表団長と協議の上、生産上限をさらに日量50万バレル増加させることを発表する権限を議長に対し与えた。
(3)この決定を行うにあたり、総会は、OPECの市場安定に対する確約を再確認した。この確約は、OPEC加盟国が繰り返し生産水準を増加させ、世界需要の伸びに見合い、適正な余剰生産能力を維持することを目的として生産能力拡大計画を加速していることにより、これまで明確に示されている。
(4)総会は、関係者すべてに市場の安定を維持するための努力に参加するよう求める。この市場の安定は、堅調な経済成長、とりわけ新興国における経済成長と、増加する石油需要に見合う上流及び下流部門の生産能力拡大を導く、産油国及び石油産業の確実な収入と両立する合理的価格の下でのものである。総会は、特に投資不足の結果による有効な精製能力(特に分解装置)不足、及び過度な品質規制に対する懸念を強調し、更に産業界、消費国政府に対し、もし放置されれば価格変動を招くであろうこの課題に緊急に取り組むことを再度呼びかけた。
(5)総会は、引き続き市場動向を綿密に監視し、必要が生じた時に適切かつ迅速な行動をとることを合意した。
(6)OPECバスケット価格については、前回総会の決定に基づき、事務局による試算を検討した後、現行バスケット価格(注)に代えて新バスケット価格を直ちに導入することを決定した(注:加盟6ヵ国とメキシコ原油の計7油種で構成されていたが、OPEC加盟国の油種構成を適正に反映させるために、油種構成変更の検討が行われていた)。
(7)総会は、6月9日にブラッセルで開催されたOPEC・EUエネルギー対話の開始と建設的な結果を歓迎し、同対話や他地域及び国際対話を継続することを決定した。こうした観点からOPECは、次回のOPEC・EU対話がウィーンにて開催されることを期待し、この対話が産出国、消費国間の協力的関係の更なる拡大強化に資することを確信している。
(8)総会は、次回定例総会を9月19日にウィーンで開催することを確認した。
(1)第136回総会は、事務局から新しいOPECバスケット価格の構成につき報告を受け、6月16日から導入することを承認した。
(2)前回総会(3月16日)では、理事会と経済委員会の勧告を承認し、構成油種を7油種から、11加盟国の原油生産をより反映する構成とすることを決定した。これらは、全加盟国の主要輸出油種を代表し、生産量及び主要市場での輸出量に応じて衡量されている。総会は、実施開始日を総会が発表するため、次回総会に現行バスケット価格と平行して新しく算定されるバスケット価格を試行的に算出し、結果を報告するよう指示していた。
(3)新しいOPECバスケット価格は、以下で構成される。
Saharan Blend(アルジェリア)、Minas(インドネシア)、Iran Heavy(イラン)、Basra Light(イラク)、Kuwait Export(クウェート)、Es Sider(リビア)、Bonny Light(ナイジェリア)、Qatar Marine(カタール)、Arab Light(サウジアラビア)、Murban(ア首連)、BCF17(ベネズエラ)。
(4)構成油種のAPI値(注)は、従前7油種の34.6度から32.7度と重くなる。また、硫黄分は、従前の1.44%から1.77%と増加する(注:米石油協会が制定した比重表示方法で、数値が少ないほど重い)。
(5)新バスケットは、加盟国が産出する原油の平均的品質をより反映するものとなる。
(1)質疑応答に先立ちアハマド・アルサバ総会議長は、概略以下のように述べた。
今次総会でOPECは生産上限を7月1日から日量50万バレル増加させ、さらに次回総会までに原油価格が現行水準又はそれ以上に上昇した場合に、さらに日量50万バレルの生産上限の増加を決定できることした。これは、現在市場には十分な原油供給がなされているものの、本年後半にさらなる需要増加が期待されること、精製能力が不十分であることを考慮して決定されたものである。OECD商業在庫は、53日分と十分満足できる水準にあり、原油不足が心配される状況にはないが、市場へのシグナルとして、本年第4四半期に向け十分な供給を行うとのOPECの決定を示すものである。
(2)(今次総会でなぜOPECは生産上限を引き上げたのか。既に、各国の生産能力の上限近い生産をしているが、増産分はどの国が供給するのか、)WTIは引き続き50ドル台の水準にあるといった現実面に配慮し、今後もOPECが原油供給に責任を果たすという観点から、年後半にかけて増大する需要に対応するため決定したものである。増産については、ホワイトハウスからの要望もあり、各国とも供給能力の増加に努め、本年末までにさらに100万バレル、最終的には1割の増加(約280万バレル)を目指している。
一方、精製能力の問題については、6月9日のEUとのダイアログでも主要な議題となったが、今後拡大されていくことが期待される。
(3)(新バスケット価格は、現行分とどのくらいの価格差があるのか、)公式には発表できないが、大体2ドル程度と事務局から報告を受けた。
(4)(追加増産分50万バレルのトリガーとなる原油価格はいくらか、)前回総会の際のバスケット価格は、49.6ドル/バレルであったが、現在のバスケット価格は52ドル/バレルと聞いている。これが一つの目安になるだろう。
(5)(新プライスバンドについての決定はなされたのか、)9月の定例総会に事務局から最初の報告を受けることになっており、報告を受けて検討することになる。実際の決定は、次回総会で行われるか分からないが、12月のクウェート総会において議論される可能性もある。
(6)(中国と公式に意見交換する機会は設けないのか、)現在の需要増は、主に米、中の伸びによるものであり、中国との間でも意見交換したいとのオファーがあると聞いており、自分も9月にも訪中したいと考えている。また、ロシアとの間でも12月に意見交換を行う予定である。
(7)(原油供給能力や精製能力の増加については、どう取り組むのか、)各加盟国とも供給能力拡大に向け努力しているが、2005年から2006年にかけてクウェートにおいてもさまざまなプロジェクトが始まる。精製能力についても、従来十分な利幅を産まないため投資が遅れてきたが、こうした投資は、消費国にとって重要なものであり、生産国、消費国、国際石油会社(IOC)が責任をもって増強していくべきである。クウェート自身も2010年を目処にさらなる能力拡大を計画しているが、投資先国の議会の反対があるなどうまく進んでいない面もある。
6月15日(水曜日)の原油価格は、米国の原油在庫が予想以上に減少したことから取引開始後から買いが集まり、一時は56.75ドルまで買い進められるなど上昇し、前日比0.57ドル高の55.57ドルで取引を終えた。上記総会の生産枠引き上げ決定は、現状の追認との見方が強く、材料視されなかった。
| 国名 | 国別新生産枠 | 生産量(5月)*1 | 余剰生産能力(5月)*2 | |
|---|---|---|---|---|
| 現行 | 変更後 (推定) |
|||
| アルジェリア | 878 | 894 | 1350 | 0 |
| インドネシア | 1,425 | 1,451 | 950 | 60 |
| イラン | 4,037 | 4,111 | 3,900 | 100 |
| クウェート | 2,207 | 2,248 | 2,470 | 30 |
| リビア | 1,472 | 1,499 | 1,650 | 0 |
| ナイジェリア | 2,266 | 2,307 | 2,420 | 40 |
| カタール | 713 | 726 | 780 | 20 |
| サウジアラビア | 8,938 | 9,100 | 9,550 | 950 |
| ア首連 | 2,400 | 2,444 | 2,330 | 220 |
| ベネズエラ | 3,165 | 3,222 | 2,120 | 80 |
| イラク | − | − | 1,750 | 750 |
| 合計 | 27,500 | 28,000 | (除イラク)27,510 (含イラク)29,260 |
(除イラク)1,490 (含イラク)2,240 |
第135回OPEC定例総会の結果
3月16日、イスファハン(イラン)で開催された第135回OPEC定例総会結果概要は以下の通り。
1.生産枠をただちに50万バレル/日引き上げ、2,750万バレル/日とする。
2.原油価格が現在の水準に留まるか、また、上昇する場合、次回総会(6月7日)までの間に、議長は各国と協議の上、生産枠を更に50万バレル/日引き上げることを発表できる。
3.全加盟国の主要輸出原油(11油種)による新しいOPECバスケット価格を今後試験的に計算し、次回総会でその正式な導入開始日を決定。
1.定例総会プレスリリース(要旨)
| (1) | 総会は石油市場の現状と今後の動向を検討し、市場への原油供給は十分であること、2004年末のOECD商業在庫は過去5年平均を超える適正な水準であったことを確認した。また、全ての指標が十分な供給を示しているにも関わらず、世界の原油価格は上昇していることにも注目した。 これは、北半球での遅い寒波、中期的な需要拡大見込み、また、先物市場でのヘッジファンドや年金ファンド等の投機筋の活動による価格上昇圧力、価格変動性の増大といった複数の要因によるもの。そしてこの状況は、地政学的な緊張、及び下流部門のボトルネックによって悪化している。 |
| (2) | 総会は精製能力(特に分解装置能力)不足、及びそれが油価上昇につながる原油市場と製品市場の混乱を引き起こし続けていることに特に憂慮を持って注目した。また新たに、非OPEC産油国や消費国を含む関係者に対し、下流部門のボトルネックを含む、石油産業が直面している課題に共同で取り組むことを呼びかけるとともに、消費国政府に対し、エネルギー政策と環境政策を調和させるよう呼びかけた。 |
| (3) | 今後1年間は世界需要の力強い拡大が見込まれること、精製能力不足、非OPEC産油国の増産の減退は、OPECによる生産拡大(今年後半、特に第4四半期)を必要とする。総会は、需要を満たし適正な在庫水準を確保すると同時に価格上昇に歯止めをかけ、そして価格が落ち着くよう、ただちに生産枠を2,750万バレル/日に引き上げることを決定した。 また総会は総会議長に対し、次回総会までに原油価格が現状水準を維持、または更に上昇した場合、加盟国との協議の上、50万バレル/日の生産枠拡大の追加を発表する権限を与えた。 この決定を受けて総会は、市場の安定の維持と常時の適正な供給の確保についての確約を再度確認した。加盟国は既に既存生産能力拡大計画を加速し、長期的な生産能力拡大に向けた適時な投資を行っている。この決定は特に途上国での経済成長に見合う供給を確保するという、OPECの確約を再確認するものである。 |
| (4) | 総会は引き続き市場動向を木目細かく観察し、必要に応じ適切かつ迅速な行動をとることに合意し、6月7日にウィーンにおいて臨時総会を開催することを決定した。また9月19日に次回の定例総会をウィーンで開催する。
|
| (5) | 総会はOPECバスケット価格の構成油種を、現行の7油種から各加盟国の主要輸出原油の11種に変更するという、理事会と経済委員会の提言を承認した。総会は今後現行バスケット価格と同時並行的に新構成油種によるバスケット価格を試験的に算出し、正式な導入日を発表することになる次回総会にその結果を報告する。
|
2.総会後のアハマドOPEC総会議長(クウェート・エネルギー大臣)らの記者会見(概要)
| (1) | 記者との質疑応答に先立って、アハマド総会議長より、今回の決定は、1)近い将来も継続が予想される旺盛な需要に対応する供給保障としての措置であること、2)油価の安定に向けた石油市場へのメッセージであることが強調された。 |
| (2) | (議長権限による50万バレル/日の追加増産について) 即日実施を決めた50万バレル/日の増産は、石油市場に対する供給保障としての措置であるが、追加の50万バレル/日の増産は、石油市場に対するメッセージとしての性格が強い。 |
| (3) | (加盟国の生産余力について) 全ての加盟国が、今回決定した増産量に対応できる生産余力を持つわけではない。現行生産枠の80%程度の生産量に留まっている国もある(ママ)。しかし、サウジアラビアを筆頭に生産余力の大きい国もあり、今回の増産はOPEC全体として対応することになる。 |
| (4) | (事務局長の選出について) 今次定例総会では、生産枠及びOPECバスケット価格等、議論を要する多くの事項があったため、事務局長の選出について十分な議論をする時間がなかった。 |
| (5) | (イラクのOPEC生産枠制度への復帰について) OPEC内では適宜イラク側と協議を行っている。しかし、イラクの生産量は、2003年3月以前は250万バレル/日だったが、未だに180万バレル/日程度に留まっている。OPECとしては石油市場の状況を見ながら、イラクの復帰時期を継続して検討する。 |
| (6) | (プライスバンド制度の継続について) 既に、石油市場が変容してきており、我々はこれに態度を併せていく必要がある。世界の石油需要も2003年からの3年間で約600万バレル/日急増しており、こうした急激な変化が、石油市場を変容させている要因となっている。(当館注:「ア」議長は、プライスバンド制の完全廃止等、今後の扱いについては明言せず。 |
| (7) | (2005年第2四半期も旺盛な需要が継続すると想定される要因について) ステートメントでは複数の理由を列挙したが、北半球の寒波の影響が継続すること、及び中国の石油需要が依然として堅調であることが主な理由として挙げられよう。 |
3.石油市場の動向(NYMEX市場のWTI原油)
16日(水)の原油価格は、上記総会の生産枠引き上げ決定を受けて、開始直後に売りが先行したものの、その後発表された米国ガソリン在庫の大幅な減少を受けて急騰し、一時は史上最高値を更新する56.50ドル/バレルまで上昇した。終値でも前日比1.41ドル/バレル高で、終値としての史上最高値の56.46ドル/バレルを記録。
第134回OPEC臨時総会の結果
1月30日、ウィーンで開催された第134回OPEC臨時総会結果概要は以下の通り。
1.生産枠は2,700万バレル/日を維持すると同時に、加盟国に生産枠の遵守を要請。
2.プライスバンド(22〜28ドル)の運用を一時停止。
3.総会議長は次回定例総会(3月16日、於イスファハン(イラン))開催前に、必要に応じた減産の決定を行うための協議を行う。
1.臨時総会プレスリリース(要旨)
| (1) | 石油市場の状況(特に本年上半期の需給予測及び中期的石油市場の見通し)を検討した結果、総会は、世界的な原油供給(特にOPEC諸国の生産)は、需要を上回り、商業石油在庫を過去5年平均以上に増やすことを許容していると見ている。この結果、OPECバスケット価格は、昨年第4四半期を通じ落ち着いている。 |
| (2) | さらに総会は、厳冬を含む季節的な要因によって高値がもたらされている一方、特に重質油においては、しばしば順ざや(期先高・期近安)になっていることに注目した。この状況は、現在の市場変動よりも、起こりうる供給途絶懸念や、強い需要への期待を反映している。現在の需給予測は、市場が本年第1四半期を通じて均衡することを示しており、総会は現在の合意された生産水準を維持することを決定した。これに関係して、総会は、合意された生産水準の厳格な遵守を確保するよう加盟国に繰り返し求めた。
|
| (3) | 総会は、第2四半期に予想される季節的な需要減と在庫増を勘案し、市場の進展を引き続き監視するとともに、総会議長が、次期定例総会(3月16日、イスファハン(イラン))に先立った協議を行うことを決定した。これは、必要に応じ、時宜を得た生産削減の決定を確保するためである。 |
| (4) | 総会は、2000年に導入されたOPEC参照価格の進展を見直した結果、市場の変化により参照価格が1年以上にわたって価格帯(プライスバンド)の外にあり、価格帯が現実的でなくなっていることに注目し、この件に関するさらなる研究の完成まで、当面、現行プライスバンドを一時停止することを決定した。 |
| (5) | この当面の停止にもかかわらず、総会は、OPECが、生産能力の拡大と伸び続ける需要に見合った供給を導く適切な価格水準(with price at
reasonable levels conductive to expansion of production capacity and supply
growth to meet rising
demand)での安定した市場の維持、及び21世紀の世界の経済成長、特に発展途上国における成長を刺激するために十分な原油の存在を確約し続けることを強調した。 |
2.総会後のアハマドOPEC総会議長(クウェート・エネルギー大臣)らの記者会見(概要)
| (1) | 質疑応答に先立ちアハマド議長は、OPECは市場安定と価格維持の為にできる限りのことを行い、市場の安定にために十分な生産を行いたい旨発言。 |
| (2) | (プライスバンドの停止について(複数の質問への回答)) 昨年来、長期的な市場分析を続けており、その結果を待っている。 プライスバンド見直しには、多くの要素・理由がある。例えば、30〜35ドルは消費者が受入可能な価格ではないかと思う。石油関係者全てが、経済成長を助けるための最善のシナリオを見つけるために協力しなければならない。 次回総会の事務局プレゼンテーションを聞いた上で、決定を行う可能性もある。 |
| (3) | (本年の需要見込みについて) 本年の需要は昨年より170万バレル/日増、OPECへの需要は2,860万バレル/日と試算。 |
| (4) | (供給過剰下での今回の決定は市場を更に安定させることになるのか。) 市場には十分に供給が行き渡っており、気候と地政学的な緊張が価格を押し上げている。供給が需要を上回っていても、価格を安定させることは重要であり、市場の安定を助けるためにOPECは現状を見守ることにした。(需要期である)第1四半期に在庫が積み増されようとしていることに注目している。 |
| (5) | (生産上限を維持した理由について) 今回の決定は、市場の心理に配慮したもの。原油価格は高値のままであるが、供給不足は無く、在庫は増加している。価格安定を望む消費者の考えは理解しているが、通常需要が減少する第2四半期に向けた対策を検討するために、注意深く価格と在庫を注視し、必要があれば減産を行うこともあるだろう。 |
| (6) | (OECD商業在庫水準について) 在庫日数が60日を越えるような状況があれば注視し、具体的な行動を検討しなければならない。減産を決定する具体的な数字はない。 |
| (7) | (今後原油高騰へのOPECの対応について) 昨年来OPECは、非加盟産油国のみならず、消費国、石油アナリスト、金融機関等に対しても原油価格の経済への影響についてヒアリングを行ってきた。 原油高騰を懸念する声は多いが、昨年は、世界の経済成長の大きな阻害要因にはなっておらず、誰もが50ドル(WTI原油)の水準でもうまく乗り切っていた。中には、60ドルでも十分やっていけると述べる経済アナリストもいた。OPECは今後の状況を注意深く見ていかなければならないと考えている。 |
| (8) | (精製能力について) 精製能力は特に米国と中国において欠如。今こそ消費者と生産者が協力しなければならない。アジア諸国とはニューデリーで需要見込みについて会合を行う予定があり、また欧州とは毎年協議を行うことにしている。需要増に対応する原油供給の拡大については、OPECは生産拡大のための投資をする用意がある。 |
3.石油市場の動向(NYMEX市場のWTI原油)
総会前の28日(金)の原油市場は、サウジアラビアをはじめとするOPEC加盟国の石油相が減産合意の可能性は低いと発言していたことから売りが強まり、前日比1.66ドル/バレル安の47.18ドル/バレルで終了した。
★第133回OPEC総会概要(12/10、開催地…カイロ)
OPEC、超過生産分100万バレルを実質減産
■OPEC総会要旨
石油輸出国機構(OPEC)は10日、カイロで総会を開き、生産枠(現行はイラクを除き日量2700万バレル)を約100万バレル上回る現状の超過生産を解消し、「実質減産」することで合意。来年1月から実施する。
今回の実質減産決定の背景には、一時、バレル当たり55ドル以上に高騰した原油相場が10月下旬以降急落し、一段の下落を恐れたことがある。また、最近のドル安による原油輸出収入の実質的な目減り分を取り返す狙いもある。しかし、原油価格は依然、40ドルを超える高水準のため、冬の最需要期を控え、消費国の反発が強まると見られている。
ニューヨーク市場のWTI原油は10月下旬にバレル当たり55ドル超の史上最高値を記録したが、空前の生産拡大の効果で米国の原油在庫が増加、12月初めの相場は42ドル台と、1ヶ月強で約23%も急落した。
OPECのプルノモ議長は総会後、来年3月の定例総会を待たずに、1月30日にウィーンで臨時総会を開催し、春以後の生産量を検討する方針も明らかにした。OPECは現状の超過生産の継続を軸に検討したが、総会直前になって原油価格の下げ幅が拡大したのを受け、イランやベネズエラがかねて主張していた実質減産案が支持を広げた。一方、ベネズエラが提唱した目標価格帯(現行はバレル当たり22−28ドル)の大幅引き上げは今回も見送られた。
■OPEC総会の各国の反応
生産能力に乏しく、他の加盟国の過剰生産に不満だったイランとベネズエラの両国が真っ先に減産を主張。12月1、2日のわずか2日間でNY市場のWTI原油がバレル当たり約6ドル、12%も急落すると、価格下落に寛容だったクウェートやアラブ首長国連邦(UAE)も、一気に減産に傾いた。
ただ、生産枠(日量2700万バレル)を100万バレル上回る超過分のうち、約60万バレルを占め、最も利益を享受してきた盟主のサウジアラビアは減産に抵抗。総会ではサウジが一方的に減産を引き受けるのではなく、生産量が枠に満たないイラン、ベネズエラ、インドネシアの3ヶ国を除く7ヶ国が一律5%減産することで、合意となった。
サウジアラビアのヌアイミ石油相は、公式の生産枠を上回る過剰生産分を削減することは石油価格の安定に寄与すると強調した。また、原油相場はおそらく、結局は下落することになろうと予想した。さらに同相は、北半球の冬の時期に、原油在庫が季節外れの大幅増加となる恐れがあるため、市場から余剰分を取り除きたかったと指摘。「在庫水準の異例の増加を避けるため、決断した」と語った。
クウェートのアハマド・エネルギー相は、石油輸出国機構(OPEC)は、原油相場の急落が続けば、来年1月30日に開かれるOPEC臨時総会で、原油生産枠を引き下げる必要があるとの見通しを示した。同相は「今から1月にかけて原油相場が続落すれば、日量50万−100万バレルの生産枠引き下げの必要があるだろう」と述べた。
リビアのシュトワン・エネルギー相は、実質減産合意を受けて、同国は直ちに日量8万バレル削減するだろうと語った。
★NY石油市場の動向…石油輸出国機構(OPEC)が超過生産解消を決めたことで買いが先行した。その後はイラクがトルコのジェイハン港向け油送を再開したとの報などを受けて利食い売りが出た。OPEC総会での今回の公式の生産枠を上回る過剰生産分を削減することは、すでに市場では織り込み済みと見られ買い一巡後は、急速に値段を下げた。NY原油1月限終値40.71ドル(前日比1.82ドル安)
★第132回OPEC総会概要(9/15、開催地…ウィーン)
OPEC、11月から100万バレル増産
■OPEC総会要旨
OPECは15日の総会で原油生産枠(現行日量2600万バレル=イラクを除く10カ国)を100万バレル引き上げ、過去最高の日量2700万バレルにすることで合意した。11月から実施する。更に、12月10日にカイロで行われるOPEC臨時総会で、OPECバスケット価格の目標価格帯(1バレル=22-28ドル)の引き上げに関する協議を実施することも決定した。また、定例総会を来年3月16日にイランのマフムードアバドで開催する事も決定。
今回の生産枠引き上げは、7・8月に続く措置で、40ドル台で高止まりを続ける原油相場の押し下げが狙い。しかし、OPECでは既に生産枠以上の2800万バレルの原油生産を行っており、サウジ以外のOPEC加盟国で生産に余裕のある国が皆無である。更に、サウジアラビアで増産されている原油の大半は重質油であり、欧米が求めている軽質油とは異なるため、実際に生産が増える見込みは薄いとみられている。
OPECのプルノモ議長は、原油市場の秩序と安定回復のためにできることはすべて行っているとの発言を繰り返しているが、今回の一段の生産枠引き上げにより、原油供給に対する取り組みを改めて強調した形だ。しかし、市場では、OPECが生産枠を引き上げても、超過生産分を容認しただけとの見方が広がっている。
■OPEC総会後の各国の反応
米ホワイトハウスは、石油輸出国は約束を守るべき、との見解を示した。また、ホワイトハウスのダフィー報道官はOPECによる原油生産枠の引き上げ決定について、具体的なコメントを差し控えた。
ダフィー報道官は、「ホワイトハウスは、具体的な行動について返答しない」としながらも、「我々れは生産国が米経済および世界経済を損なわないような行動をとると予想している」とつけ加えた。
サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は、現在の原油価格は高すぎるが、石油需要が低下する兆候はまだないという、これまでの考えを繰り返した。
イランのザンガネ石油相は、新たな生産枠は11月1日に効力を発すると語った。
OPECのプルノモ議長(インドネシア)は、現在の原油価格について10-15ドル程度は、需給によるファンダメンタルズではなく投機的動きと地政学的懸念により押し上げられたものだ、と述べた。また、地政学的懸念が後退すれば、原油価格は大幅に下落する可能性がある、との見方を示した。
更に、OPEC全体で日量100-150万バレルの生産余力があり、必要なら来年末までにもう100万バレル増やすこともできる、と語った。
★NY石油市場の動向…OPEC総会で100万バレルの増産が合意されたものの、現状を追認するに過ぎないとの見方から、、相場に多大な影響は見られなかった。米国原油在庫の急減を受けて、NY原油は45ドル台に乗せる場面も見られたが、大型ハリケーン「アイバン」の製油所への影響が限定との見方から利食い売りに押されて下振れる展開となった。NY原油10月限終値43.58ドル(前日比0.81ドル安)
★第131回OPEC総会概要(6/03、開催地…ベイルート)
OPEC、7月から200万バレル増産〜価格動向次第で8月に50万バレル追加増産も
■OPEC総会要旨
石油輸出国機構(OPEC)は3日、ベイルートで総会を開催。原油生産枠(現行日量2350万バレル=イラクを除く10カ国)を7月から日量200万バレル引き上げ、2550万バレルとすることを決定した。また、7月21日に政策見直しのため再び会合を開き、市場動向次第では8月から50万バレルを上積みし、二段階で計250万バレルの増産とする方針。また、OPECは9月15日に予定されていた定例総会に先立ち、7月21日にウィーンで会合を開催する。
原油相場は@世界的な景気拡大に伴う需要増A不安定な中東情勢を背景とした供給懸念B米国でのガソリン相場高―などを受けて高騰を続けている。景気への悪影響を懸念する消費国から増産を求める声が強まる中、盟主サウジアラビアは先に200万バレル以上の生産枠の引き上げを提案していた。
5月22日に開かれた非公式会合では増産余力のないベネズエラやリビアがサウジ提案に反対した。しかし、今回の総会では、サウジでの相次ぐテロ発生で原油相場が再び騰勢を強めていることから、OPECの結束を示す必要があるとの認識が強まったようだ。
総会ではまた、OPECが生産調整の目安としている目標価格帯(現行1バレル=22―28ドル)の引き上げについても話し合われる可能性があったが、ナイジェリア代表筋はこの日、9月総会で協議することになったと明らかにした。
■OPEC総会後の各国の反応
イランのザンガネ石油相は3日、OPECが合意した8月の日量50万バレルの追加増産について、7月に原油相場が急落した場合、取り消す可能性があるとの見方を明らかにした。また、同国が目標価格帯を現行の22-28ドルから28-34ドルへの引き上げを目指していることについて、消費国にとっても居心地の良い水準だと考えていると語った。
エーブラハム米エネルギー長官は3日、OPECの生産枠拡大について「相場に明らかに好影響を与えるだろう。生産枠の拡大幅は大きい」との認識を明らかにした。これは、OPEC加盟国の産油量が既に生産枠を超えているとの指摘を受けての発言。また、武装グループが先月29日にサウジの石油関連企業の事務所などを襲撃したことについては、「サウジは石油生産設備を守ることができる」と述べた。
国際エネルギー機関(IEA)のマンディル事務局長は3日、OPECが生産枠引き上げを決定したことについて、歓迎すべき動きであり、市場にとって前向きのシグナルとなるだろうと述べた。
クウェートのアハマド石油相は3日、OPECによる生産枠引き上げ決定を受けて、ブレント原油の価格はバレル当たり6―8ドル下落するだろうとの考えを示した。
★OPEC非公式会合(5/22、開催地…アムステルダム)
生産枠引き上げ、6月総会に持ち越し〜サウジは200万バレル強の増産提案
石油輸出国機構(OPEC)は22日、アムステルダムで非公式会合を開き、サウジアラビアによる原油生産枠(現行日量2350万バレル、イラクを除く10カ国分)引き上げ提案などについて協議したが、結論は6月3日にベイルートで開かれる総会に持ち越された。
会合後記者会見したプルノモ議長は「最近の原油相場高騰を強く懸念する」と語り、相場の鎮静に向けて努力する姿勢を改めて示した。
OPECは、石油需要が例年後退する第2・四半期の価格急落リスクに対する不安を背景に、価格下支えのため4月から生産枠を日量100万バレル削減。しかし、原油相場は5月に入り過去最高値を記録するなど騰勢を維持。インフレ高進や景気への影響を懸念する消費国側からは、増産を求める声が強まった。これを受けて、3月まで減産の旗振り役だった盟主サウジは姿勢を一転、生産枠引き上げを提案した。
枠引き上げには、増産余力のないベネズエラが当初から反対を表明していたが、相場高騰がさらに続けば、原油需要が減退し、いずれOPEC自らの首を絞める危険をはらむ。このため、ベイルート総会では、サウジが提案する日量200万バレルの枠引き上げを軸に、改めて協議するとみられる。
■サウジの200-250万バレル増産についての各国の見解
サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は23日、現在、顧客の需要を満たすため産油量を910万バレルに引き上げていると説明。求められれば6月にさらに1050万バレルに拡大する用意があると述べた。
エーブラハム米エネルギー長官は23日、サウジが日量1050万バレル前後の生産能力いっぱいまで消費者の要望を満たす方針を確約したと語った。また、(OPEC石油相らとの一連の会談では、国際原油価格の沈静化に向けて行動が必要との認識が広く存在する、との感触を得たと指摘した。
OPECのプルノモ議長は23日、高騰する原油価格を低下させるため、できる限り多くの原油を生産するよう、加盟国に促していると強調した。ただ、OPEC原油生産枠を日量200-250万バレル引き上げるべきだとのサウジアラビアの提案についてはコメントしないとし、この問題は6月3日のベイルートでのOPEC総会で話し合われるだろうと語った。
リビアのシュトワン・エネルギー書記(エネルギー相)は23日、OPEC生産枠を日量250万バレル引き上げるサウジアラビアの提案は支持しないとした上で、サウジは一方的に増産すべきでないとけん制した。また、サウジが産油量を日量900万バレル前後まで引き上げる方針を表明したことについて、「誤りだ。サウジは単独で増産することはできない」と警告した。
ベネズエラのラミレス・エネルギー鉱業相は23日、市場への原油供給は現在十分であり、OPECの生産枠の引き上げや増産は高騰する原油相場を引き下げることにはならないとの見方を示した。その理由として、現在の相場高騰の背景には消費国の税金など構造的問題や投機筋の動き、さらに中東、特にイラクの不安定な情勢があると強調した。
イランのザンギャネ石油相は21日、サウジアラビアによるOPECの日量200万バレル以上の増産提案に反対しない姿勢を明らかにした。ただ、すべてがわれわれにかかっている訳ではないとも述べ、原油価格高騰の原因は政治的緊張、投機的な動き、製油所の問題などにあると指摘。市場に原油不足は生じていない。日量250万バレルの供給過剰があると語った。また、今年後半、在庫積み増しで価格下押し圧力が高まることに警戒感を示した。
カタールのアティーヤ・エネルギー産業相は21日、サウジアラビアによるOPECの生産量引き上げ提案について、他の加盟国がこれを支持すればカタールも賛成すると述べた。しかし、OPECが増産する余地はとても小さいとしている。
■OPEC非公式会合の声明
石油輸出国機構(OPEC)非公式会合終了後に発表された声明は以下の通り。
○ここ数週間高騰を続けている原油価格を強く懸念。
○現在の原油高は、世界の一部地域でのガソリンの供給不足、一部地域での地政学的な緊張の高まり、先物市場での投機、世界の原油需要に関する最近の上方修正などの結果。
○加盟各国石油相は一部加盟国による増産提案を熟考した。
○非公式かつ相談のための会合のため、決定は見込まれていなかった。
○目的は、ベイルート総会を控えて加盟各国石油相に会談の機会を提供し、原油高など緊急課題について非公式に意見を交換することにあった。
★第130回OPEC総会概要(3/31、開催地…ウィーン)
OPEC、4月から100万バレル減産決定
■OPEC総会要旨
高水準の石油相場は、先物市場で投機筋がロングポジション(買い持ち玉)を抱えていることと、米国のガソリン市場で供給がひっ迫していることが主因。また、地政学的な懸念に伴う不安感が事態を悪化させており、純粋な需給関係を反映したものではない。
また、高価格にもかかわらず、世界が季節的な不需要期に入るため、原油市場は十二分に供給されている。さらに、原油在庫は過去2カ月間、積み増されており、第2・四半期もこの傾向が続くと予想される。
この結果、総会は4月1日から適用する新生産枠日量2350万バレルを再確認した。また、市場に原油を十分に供給するとともに、OPECの参照するバスケット原油について、1バレル=22―28ドルという合意された価格帯内で価格を安定させる方針も再確認した。
次回(臨時)総会は6月3日、ベイルートで開催される。次回定例総会は9月15日、ウィーンで開催される。
●サウジの動向がOPEC減産につかなる
OPECの減産措置は、不需要期となる4月以降の価格急落を恐れたものだが、中国の景気過熱や米国の景気回復を考えると、正当化できるかは疑わしい。減産を強行した別の理由は、既に減産を織り込んでいたヘッジファンドが減産見送りの場合、急速に石油相場を売り崩しかねないと懸念された。しかし、予想外の需給ひっ迫で原油価格は高留まりしており、4月以降も需要の落ち込みは小幅にとどまり、価格の下落は最小限になるとの見方も浮上している。
OPECが大統領選を控えた米国など主要消費国の意向を無視して、減産を強行した背景には、サウジアラビアの意向が強く働いた。サウジは人口の急増などで、財政赤字に苦しんでおり、原油価格の引き上げを狙った。一方で、OPECの実際の生産量は生産枠を大幅に上回っており、ヤミ生産が横行。「価格と量」の双方を拡大し、石油輸出収入を最大化させる戦略を取ったといえそうだ。
●総会後の各国の反応
◎OPECのプルノモ議長は、ドル安とそれに伴う産油国の収入減に懸念を表明。OPEC加盟国の閣僚らはこれまで、ドル安が石油価格上昇の背景にあると指摘していた。世界の市場で、石油はドル建てで取引されている。
◎サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は、現在の原油相場が世界の経済成長に打撃を与えているかどうかについてはコメントできないとしている。
◎クウェートのアハマド石油相は、5月下旬にアムステルダムで開く消費国との会議(産消対話)の場で、一段の減産が決定されるかもしれないとの見方を示した。また、高水準の原油価格が経済成長を阻害することはないとの見解。
◎マクレラン米大統領報道官は、減産が確認されたことについて、「ブッシュ大統領がOPECの決定に失望している。産油国は米国経済と消費者に打撃を与える行動を取るべきではない」と述べた。
★石油市場の動向…一時、37ドル台目前に接近したものの、減産実施については織り込みとの見方が強いことや、産油国の減産実施について懐疑的な見方も強い。また、米原油在庫の急増も弱材料視されて、35ドル台を割り込むなど反転している。
NY原油5月限終値35.76ドル(前日比0.46ドル安)
OPEC原油生産枠(4/1から実施)
★第129回OPEC臨時総会概要(2/10、開催地…アルジェ)
OPEC生産上限枠、100万バレル削減〜ヤミ生産の解消で実質250万バレルの削減に
石油輸出国機構(OPEC)は10日、アルジェ(アルジェリア)で開催した臨時総会で、事前予想に反して、原油生産枠(イラクを除く10カ国で現行日量2450万バレル)を4月1日から同100万バレル削減し2350万バレルとすることで合意した。足元の原油相場は高水準を続けているものの、第2四半期にかけての石油需要後退や相場下落リスクに対応し、予防的措置に踏み切った。次回総会は3月31日に開催される。
原油相場は今冬、戦後イラクの原油輸出の立ち遅れや消費国の在庫が低水準であることなどを背景に高水準を続け、イラク戦終結後の最高値を記録していた。しかし、前回2003年12月の総会以降、春からの需要後退、相場下落を懸念する声がOPEC内部では強かった。国際エネルギー機関(IEA)が公表した需要見通しでは、第1・四半期(1―3月)の世界需要が日量8000万バレルに対し、第2・四半期(4―6月)は7740万バレルで260万バレル減少する。2004年は、ロシアをはじめ、西アフリカなど非OPECの増産規模が100万バレル以上に達すると予想されているほか、イラクの生産回復の動向も見逃せないなど、原油市場を取り巻く環境は厳しくなりそう。高値相場を維持するには、OPECは需給ギャップが顕在化する前に手を打つ必要性に迫られており、今回の総会で、一気に生産枠削減に踏み切った。新生産枠(2350万バレル)が厳密に順守された場合、現在の生産超過分(150万バレル)を加えると、事実上250万バレルの減産となり、供給過剰感を解消されるとみられる。ただ、原油価格が高止まりしている中での減産決定であり、消費国側の反発が強まるのは必至とみられる。
OPEC総会後の記者会見で、プルノモ・ユスギアントロOPEC議長は、第2四半期の市況見通しに関する問いに対し、「第2四半期には220〜240万バレル/日の需要減を見込んでいる。もし、需要予測に変化があった場合は3月の総会で対応する」との見解を示した。また、非OPEC産油国との関係に対する問いに対し、「OPECとロシアなどの国との間に協定は存在しない。OPECにできることは、市場に対してシグナルを送ることだけである」とのコメント。更に、プライスバンド等の価格政策の最近の趨勢に対する問いに対しては、1998〜2000年の展開を見ると確かに原油価格は上昇しているが、ドル下落の影響があるので、実質では1〜2ドル/年位の上昇幅である。OPECはドル相場を常に注意深く見ている。ユーロ、円についても同様であるとのコメントを示した。
ただ、OPEC総会の決定については、各国石油相の間では懐疑的な見方が強い様だ。UAEのナシリ石油鉱物資源相に加え、サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は、OPECによる減産合意の影響で今後数カ月の間に石油相場が高騰すれば、3月31日に開催される次回総会で、第2・四半期の減産を撤回する可能性もあるとの見方を示した。
★石油市場の動向…事前予想では生産枠据え置きの公算が強かったため、この日の減産決定のインパクトは強く、一時、34ドル台を回復した。2月10日のNY原油3月限終値33.87ドル(前日比1.04ドル高)
★第128回OPEC臨時総会概要(12/04、開催地…ウィーン)
OPEC生産上限枠、2450万バレルで据え置き〜次回総会は04年2月10日
OPECは4日、オーストリアのウィーンで臨時総会を開き、9月総会で決定した現行の生産枠(日量2450万バレル)を据え置くことを決定した。2003年の残る期間と2004年の上半期の需要・供給見込みを含む原油市場の状況、および中期的な原油市場の見通しを検討した結果、需要予測において上方修正が見込まれていたにもかかわらず、原油市場に十分な供給がなされており、ここ数ヶ月については、商業用在庫への補充の余地もあると判断されるため、総会は現行の合意された生産水準を新たな通告まで、現状のまま維持することを決定した。これに関し、総会は、加盟国に対し、合意された生産水準の厳守を改めて呼びかけた。
OPECの生産枠決定を左右する原油バスケット価格は、目標価格帯の上限(バレル当たり28ドル)をやや上回る状態が続き、高留まりしている。このため、消費国側からは「世界の石油市場は需給がひっ迫し過ぎている」(国際エネルギー機関=IEA=のマンディル事務局長)とOPECの姿勢に批判が出ていた。
しかし、来春以降は不需要期に入る上、そのころには戦後復興中のイラクの生産量が戦前の水準に回復するとの見通しもあり、加盟国は生産枠の据え置きで一致した。OPECはまた、来年2月10日にアルジェリアで臨時会合を開くことを決定した。来年3月の定例総会を待たずに減産に踏み切る可能性が大きい。2月10日に続いて3月31日、6月3日にも会合を開くと述べた。3月の会合はウィーン、6月の会合はベイルートで開催される。
なお、イラクの原油生産にについては、同国のウルーム石油相が来年第1四半期末までに日量280万バレルの原油生産及び200万バレルの原油輸出を表明したことを明らかにした。現在の産油量は同210万バレル。同国北部キルクーク油田からトルコ向けの輸出を再開することが引き続き優先事項だとしながらも、仮にこれが実現不可能な場合、南部のバスラ油田からの輸出を同190万バレルにまで拡大することができると指摘した。現在の原油価格は高留まりしているが、冬の最需要期が過ぎた後、来春以降に価格が下落すると予想し、消費国側の増産要求を退けた。
また、OPECは事務局長代行にインドネシアのプルノモ・エネルギー鉱物相を選出した。ベネズエラのシルバ現事務局長に代わって1月1日に就任する。プルノモ氏は同日OPEC議長に就任することが既に決まっている。今年末で任期が切れるベネズエラ出身のシルバ事務局長の後任を選出することができず、来年から議長を務めるインドネシアのプルノモ・エネルギー鉱物相が当面、事務局長を兼務することを決定した。事務局長人事をめぐっては、クウェート、イラン、ベネズエラの3カ国がそれぞれ候補者を出していた。アティーヤ議長は同日の臨時総会後の記者会見で「妥協が成立せず、人選は不調に終わった」と述べ、最終決定するまでプルノモ新議長が事務局長を兼務する方針を明らかにした。なお、ブルノモ新OPEC議長は、来年のOPECバスケット価格を目標価格帯(22-28ドル)の中間に当たる25ドル台を目標にすると表明した。
OPEC総会後の反応としては、アティーヤ議長は「2月の会合では来年第2・四半期の供給過剰をにらみ減産を協議するが、減産幅について調整することになるだろう」と言明。またこの会合には協調減産に向け非OPEC産油国の代表も招く方針を明らかにした。シルバ事務局長は、原油市場では2004年第2・四半期に日量240万バレルの供給過剰が生じるだろうとの見方を示した。
また、クウェートのアハマド石油相は、来年第2・四半期(4―6月)以降の需要減退期への対応を次回会合で検討する際には、現行日量2450万バレルのOPEC原油生産枠を同100万バレル削減する必要があるとの考えを示した。ナイジェリアのエドムンド・ダウコル大統領顧問は、OPECは来年第2・四半期に予想される日量200万バレルの供給過剰に対処する必要があると述べた。
OPEC閣僚監視委員会(MMC)の関係者は4日、MMCが臨時総会で、現時点での生産枠据え置きを勧告し、同時に、必要ならば来年2月初旬に市場を再検討するための会合開催を提案したことを明らかにした。MMCは、石油市場の需給データを審議した結果、イラクの原油生産が来年初めに日量250万バレルに回復すれば、現行の生産枠である日量2450万バレルを150万バレル削減する必要があるかもしれないと判断した。
★石油市場の動向…OPEC総会での据え置き決定は大方の予想通りであったが、直近のNY原油相場は前回総会で予想外の90万バレル減産を決定したことを懸念して32ドル台目前まで上昇していたが、OPEC総会後には利食い売りに押される展開となった。 この日の上昇は米北東部での気温低下・降雪予想を映したヒーティング相場の上昇に追随するもの。12月4日のNY原油1月限終値31.26ドル(前日比0.16ドル高)
★第127回OPEC臨時総会概要(9/24、開催地…ウイーン
OPEC生産上限枠、2540万バレルに引き下げ
今次総会では、事前の予想に反し、イラクを除くOPEC10か国の現行生産枠2,540万バレル/日を90万バレル/日引き下げ、2,450万バレル/日とすることが決定された。
●総会は、現在の原油市場を検討した結果、世界経済は回復基調に見えるにもかかわらず、第4四半期においては通常の季節要因による需要増のみが予測され、市場には十分な供給がなされ続けていることに留意。非OPEC産油国による引き続きの供給増、及び現在進んでいるイラクの生産回復を踏まえれば、石油在庫は補充され、速やかに通常レベルの在庫水準に達しつつあり、2003年第4四半期及び2004年第1四半期における需給バランスは(石油需要期にもかかわらず)在庫が積み上がる見込みであることを示している。
●OPEC創設メンバー(イラクを指す)が市場に徐々に復帰していることに留意し、市場のバランスを確保するために、総会は2,450万バレル/日の生産枠及び合意された生産レベルに戻すことを決定。
●総会は、非OPEC産油国が自国の原油生産の増加を抑制するための具体的な措置をとり、このことによりOPECとともに、2004年およびそれ以降における価格の維持と市場の安定という責任を積極的に共有することへの期待を表明。
総会は、市場の動きをレビューし、その時点で必要と思われる措置をとるために、次回臨時総会を12月4日にウィーンで開催することを決定。
●総会は、次期総会議長としてプルノモ・ユスギアントロ・インドネシア・エネルギー鉱物資源大臣を、次期総会議長代理としてアハマド・クウェート・エネルギー大臣を選出(任期は2004年1月1日より1年)。
総会は、次回の定例総会を2004年3月10日にウィーンで開催することを決定。
★第125回OPEC臨時総会概要(6/11、開催地…ドーハ)
OPEC生産上限枠、2540万バレルで据え置き〜次回総会は7/31に開催
石油輸出国機構(OPEC)は11日、カタールの首都ドーハで臨時総会を開き、戦後イラクの原油輸出再開に備えて、生産調整などを協議した。原油価格がOPECの目標価格帯の上限近くで推移し、イラク原油が市場に本格復帰するまでには不透明要因も多いことを踏まえて、各国石油相はイラクを除く10カ国の暫定生産枠(日量2540万バレル)を当面据え置くことで合意。
※4月24日に開催されたOPEC総会協議会合では、OPECは6月1日より実際の生産量を2,540万バレル/日(但し、これが公式生産枠であるかは不明。右会合では、OPEC側も明確な見解は示していない)になるようにすることを決定したが、今次臨時総会では同生産レベルを維持することを決定。
しかし、イラクの生産回復ペース次第では、同国の輸出余地を確保するためにも、OPECは近い将来に追加減産が避けられないとみられており、7月31日にウィーンで臨時総会を開催し、需給動向やイラク情勢を再度検討することも決定した。
OPECはイラク戦終結を受けて、前回4月の総会で緊急増産体制を解除し、段階的減産の方針を表明。6月1日から生産枠を日量90万バレル引き上げる一方、実際の生産量を新生産枠の水準まで200万バレル削減することで合意した。しかし、イラクの生産回復の遅れに加えて、夏場の需要期を前に米原油・ガソリン在庫の回復も進まず、OPEC原油バスケット価格は1バレル=26―27ドル台と目標価格帯(22―28ドル)の上限に近づいており、「現行の生産枠を維持する時間的余裕がある」(クウェートのアハマド石油相)と判断、減産を当面先送りすることを決めた。
ただ、ベネズエラのラミレス・エネルギー・鉱業相は11日、イラクが日量100万バレルの生産を回復した場合には、OPECとしては7月の臨時総会で、生産枠を削減するとの見通しを示した。同相はこの中で「7月の会合で、イラクが市場に相当量の供給しているとの認識で一致すれば、われわれは削減を行う」と指摘。また、「7月の会合の時点で、イラクの生産量が12月までに100万バレルか、150万バレルに届く予測できれば、削減することになる」と語った。
今総会には、米英占領統治下のイラク代表は招待されなかったが、臨時総会としては初めて、ロシア・メキシコ・アンゴラ・オマーン・シリアがオブザーバーなど非OPEC産油国がオブザーバー参加し、イラク情勢などで意見交換した。
また、今回の総会で、ナイジェリアのセイイ・アブドゥライOPEC基金事務局長の後任にサウジアラビアのアルへルビシュ氏を選出した。アラブ首長国連邦(UAE)の政府幹部が明らかにした。同氏は現在、サウジのOPEC理事を務めている。アルへルビシュ氏はサウジが推すOPEC事務局長の次期候補でもあったが、これにより同国は次期OPEC事務局長選には候補を出さない見込み。OPEC事務局長選は9月下旬に予定される総会で実施される。
〜アティーヤ議長・シルバ事務局長会見内容〜
○我々はイラクの市場への復帰を歓迎するとともに、OPECへの復帰を楽しみにしている。我々は間もなくイラクとの接触を開始する予定である。我々はイラクの石油相のOPEC参加を待っており、それまでは、イラク当局と接触を続け、どのような協力ができるか模索するつもりである。7月の総会までに政権が確立し、石油相が選出されるのであればもちろん我々は歓迎する。
○イラクの原油生産状況及び輸出開始の見通しは?…イラクの市場への回復時期を予測することは大変困難。5月または6月にはイラクの生産量が150万バレル/日を超えるのではとの見通しもあって、数週間前には誰もがOPECが今次総会で減産すると予想したが、実際には技術的な問題もあってイラクの生産・輸出開始は遅れている。
○イラクがOPECを脱退する可能性はあるか?…OPEC加盟国となるか否かは国家の主権の問題であり、誰も強制することはできない。しかしイラクはOPECを必要としている。
○非OPEC加盟国との関係?…油価が下落次第協調減産するといった特別なメカニズムはあるのかとの問に対し)そのようなメカニズムはないが、1999年に油価が下落した時を見ればわかるように、OPECと非OPEC加盟国は協力関係にあり、お互いに必要としている。
★石油市場の動向…OPEC臨時総会の決定については市場は既に織り込み済みであったが、米国の原油在庫減少等から、11日のWTI原油は前日比0.63ドル/バレル上昇し、32.36ドルで取引を終えた。
★OPEC緊急総会概要(4/24、開催地…ウィーン)
OPEC生産上限枠、2540万バレルに拡大〜だが、実質生産量よりも200万バレル減
石油輸出国機構(OPEC)は、4月24日、ウィーンで開催されたOPEC総会協議会合において、6月1日より生産上限枠を2450万バレルから2540万バレルへ拡大することを決定した。だが、OPECの思惑としては、実際の生産量2740万バレルから200万バレル減らし、2,540万バレル/日になるように生産を調整するものとされている。
今回の会合においては、第2四半期の需給バランス及びイラク原油の供給再開の見通し等を踏まえて、OPECがどのような決定を行うかに注目が集まった。OPECはイラクを除く加盟10か国による現在の実際の生産量を2,740万バレル/日と推測しており、今回の決定は現行生産レベルから200万バレル/日の減産を行うもの。(注:これまでの生産枠は2,450万バレル/日であり、今回の決定が90万バレル/日分引き上げたものかは不明。OPEC側も、数字上の整合性に関する問に対して、明確な回答はしていない。)
〜緊急総会要旨〜
○協議会合への各国代表は、過去5か月間に総会が行った決定が、原油市場の沈静化に成功し、消費国に対する十分な供給を確保することにより原油供給途絶を克服することにOPECが成功したことをはっきり示したとコメント。OPECバスケット価格は、最近数週間においてプライスバンド(22〜28ドル/バレル)の下限の方に下落。しかしながら、高いレベルの経済的不安定、そして幾分かの政治的不安定が継続していることを反映して、原油市場は依然として不安定な状況にある。
○総会は、季節的要因による需要減から供給過剰になると思われる第2四半期の需給バランス、続く世界経済の低迷及びSARSが及ぼす石油需要への影響を更にレビューした。
○これらの要素を踏まえ、原油市場安定化及び原油価格をプライスバンド内に収めることへのコミットメントを改めて表明し、総会は、第一歩として、6月1日よりOPECの実際の生産量を200万バレル/日減らし、2,540万バレル/日になるようにすることを決定。
○今次決定は6月11日にドーハにて開催が予定されているOPEC臨時総会にてレビューされる。それまでの間、総会は、原油市場の状況を、特にイラクの原油生産再開のタイミングと量、及びそれが一般的に原油市場の需給バランス全体に与える影響、そして特にOPECの生産レベルに与える影響を、注意深くモニターするよう事務局に要請。
〜OPEC議長見解〜
OPECのアティーヤ議長は、市場の状況を見守り続ける必要があるというように、6月の次回総会(ドーハ)のころにはイラクの生産再開のめどが立つとの警戒感があり、追加減産の必要性を強く打ち出している。また、イラクに対する「石油・食糧交換」計画の国連制裁の更新時期6/3と重なり、制裁が解除される可能性があることも懸念材料となっている。同議長は、今後、バスケット価格が目標価格帯(22-28ドル)を割り込む展開になれば、総会を待たずとして減産を要請する可能性もあるとしている。
★石油市場の動向…4月24日のWTI原油は前日比0.01ドル/バレル下落し、26.64ドル/バレルで取引を終えた。